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「医療系ならドイツ語」?

大学に入学すると、人文系じゃなくても、私のように医療系学科の学生でも、「第二外国語(未修外国語)」というものを選択しなければならない人もいることと思います。

第二外国語にフランス語を選んだ私がよく言われた(今でも言われる!)のは、「医療系だったらドイツ語じゃない?」という言葉。
確かにうちの学科でもフランス語を選んだ人よりはドイツ語を選んだ人の方が多かったし(確か一番多かったのは中国語)、昔は医学を学ぶ上でドイツ語は大事だったと言われているので無理もない気もするのですが、フランス語学習者としてはもやもやが残ります。

まず(医学科ではどうか知りませんが)、2年生が終わる今の時点までに、学科の専門の授業でドイツ語の知識が必要だと感じたことは一度もありません。私がある程度ドイツ語の単語の読み方を知っていたせいかもしれませんが、人名や特定の固有名詞を読むのにも不自由はなく(読み方を知らなくてもネットで検索すればすぐ出てくるでしょうし)、第二外国語で1年間勉強したかしてないかで差がつくようには思えませんでした。
一方、意外と医学用語の中にはフランス語由来の単語もあって、イレウスの際のX線像で見られるniveauとか、心電図所見のtorsades de pointesなどがそれにあたります。

これから言語を選択する人に対して言えるのは、(制度上自由に選択できるのである限り)「◯◯系ならナントカ語」といった変な先入観に囚われすぎないこと、「◯◯語は難しいらしい」という噂に振り回されないことに気をつけるといいのではないかな、ということです(言語の難易度の評価が基本的に当てにならない理由は次回書きます)。
「将来フランスに旅行に行きたいからフランス語を選ぶ」でも、「ゲーテが好きだからドイツ語を選ぶ」でも、「中国人の友達が多いから中国語を選ぶ」でも、「ロシア音楽が好きだからロシア語を選ぶ」でも、動機は何でもいいと思うのです、人文系以外の大多数の人は長くても1年ほどしか第二外国語を勉強しないわけですから。
単位が取れるくらいの勉強の仕方で1年間外国語を勉強したところで、できるようになることは限られています。「将来性を見込んで中国語を…」という人もいますが、並みの勉強量で1年間勉強しても「使える」ようにはならないと思います。もちろん、第二外国語で選択したことがきっかけになって「もっと頑張ろう」と思うこともあると思うので、一概には言えませんが。

ぜひ、「これなら楽しそう、頑張って勉強できそう」という言語を選択してみてください。

by hekioceane | 2017-02-27 18:02 | 大学生活